「ただいま~。」
ママが会社から帰ってきました。
「おかえりなさい。」
私が言うと、ママは、ヨギボーにたおれこみました。
「つかれた~、もう何もしたくなーい。」
「マッサージしようか?」
「ぜひお願いします。」
私はママが大好きです。
私の言う通り、ママは、たたみの上にあおむけになりました。
私は、すぐに、ママに全身マッサージをしました。
まず、頭を。ママは、「なんて気持ちいいの?」って言ってくれました。私は、ますますやる気が出てきました。
それから、頭の次に手と背中をやりました。手の平のコツは、お父さん指と、お母さん指で、下から上へ、上から下へとやっていくのがコツです。
次に、背中をやりました。足までやっているうちに、気持ちよくて、ねてしまいました。「私のおかげなんだよ、かんしゃしてね、ママ。」小声で言いました。
次の日の朝、私は、目がさめると、何か変なことに気がつきました。「あれっ、体が大きいぞ。」かがみを見ると、何と私が、ママになっていました。びっくりして、気ぜつしてしまいそうになりました。ママも朝起きると、びっくりしていました。ママの体は、小さくなって、私の体になってしまいました。
「これじゃ私、今日お仕事いけないわ。」
ママがそう言ったので、私が代わりに行くことにしました。ちょうど土曜日だったので、学校はないので「ママ、休んでてえ!」と言って私は、少しうれしい気持ちになりました。でも少し不安でした。
「あっっ、車運転できないじゃん。」と思いました。でもためしにやってみると、なぜか運転ができました。「まぁ、いっか。」と思いながら行きました。
お仕事場に着くと、ママの席が分からないので、少しまよいました。
それから六時間たつと、学校とまちがえて帰りそうになりました。
「あっっ、そうだ。ママになったんだからまだ帰らないんだった。」
やっと帰る時間がくると、いつものママのようにくたくたになってしまいました。
「ママって、いつもこんなに大変なんだな。」ということが分かりました。家へ帰ると、ママが「おつかれさま。」と言ってくれました。ついつい、「マッサージして!」とママの口ぐせで言ってしまいました。ママが「よろこんで!」と言ってくれました。ママにマッサージをしてもらいました。何と気持ちいいんでしょう。私は、その時、世界で一番気持ちのいいマッサージだと思いました。
次の日の朝は、しっかり元にもどっていました。