ある日、パパがわたしにこっそりおしえてくれた。
「あのね、パパはようせいなんだよ。」
「パパは人間のおじさんでしょ?」
「ようせいのおじさんの王子なんだよ。」
ほんとうかな。
「ようせいなのにどうしてここにいるの。」
「ママといっしょにいたかったからだよ。」
「王子さまなのに、ようせいの国にかえらなくてもいいの?」
「夜にはかえっているよ。」
「じゃあわたしもつれて行ってくれない?」
「すごくおそい時間だから、おきていられないよ。」パパはそう言って、わたしはいつもつれて行ってもらえない。
ようせいはほんとうにいるのかな。
先生に聞いてみた。
「先生、ようせいはいると思う?」
「先生はまだ見たことはないけれど、いるかもしれないね。」
「わたしのパパがね、ようせいなんだって言うんだけどほんとうかな?」
「じゃあ先生、これからは、ようせいを見たことあるよって言えるね。」
「そうだね、でもほかの人にはひみつだよ。たくさんの人にしられると、ようせいの国にかえらないといけないんだって。」
先生は言った。「ひみつね。」
今日、パパはちゃんとかえってくるかな?
先生に、話しちゃったけどだいじょうぶかな。
「ただいま。」
「おかえりなさい、パパ大すき。」
「パパも大すきだよ。」
わたしのパパが、ようせいのおじさんの王子なのはひみつだよ。