「あんた、百キロまでいったの!?信じられない。ちょっとあんた、太るの気をつけなさい。」
母さんは、「気をつけなさい」と言ったものの、今後、もし太ったら、どうなるのか。そう思ったその日の夜、家族会議が開かれた。
「ちょっとあんた太りすぎ。食事を減らしなさい。」
「えー、ご飯おいしいから嫌だ。」
「健康のために痩せて!!」
周平とお母さんが口を揃えていった。すると、二人からの「痩せて欲しい」と言う熱意が伝わったのか、嫌がりながらもダイエットを決意した。
トレーニングを始めるが、なかなか痩せないので、父さんのあとをつける。すると、父さんが買い食いをしていることが発覚した。家族会議で、
「死んでも知らんよ。あんたが悪いから。」
と母。
「今度こそ頑張る。」
父さんはそう意気込んだ。周平は信じられない。また買い食いをするかもしれない。そのことを言うと、また騒がしくなるかもしれないと思い、周平は黙っておいた。
父さんは、本当に頑張りだした。ダイエット開始から一ヶ月後、十五キロ痩せ、さらに、ニケ月後、ニ十キロ痩せた。周平はすごく驚いた。しかし、父さんが、頑張ってダイエットをして、体重が順調に減っているが、ある日から突然、体重が減らなくなってきた。だから、こっそりご飯を減らしていく。二週間ほどかけて、トレーニング開始ごろと比べると、ご飯が約三割減り、また痩せてきた。
トレーニングにのめり込みすぎて、ジムにも通い始めた。今度は、お父さんが、ボディビル大会に出たいと言い始め、トレーニング中心の生活になった。やがて、かっこよくなり、ボディビル大会で優勝することもできた。だが、周平は、もう少し遊んで欲しいと思った。そのことを父さんに伝えると、前までは一緒に遊んでくれなかったのに、体が軽くなったことを実感したのか、一緒にたくさん遊んでくれるようになった。遊びの内容は、ほとんど野球。周平は、野球がすごく大好きだ。父さんは野球に興味はなかったが、周平と一緒にずっと遊んでいると、父さんは野球に興味を示してきた。テレビで、野球中継がやっていたら必ず見る。実際に、球場にも行き、そこには、有名な選手が、たくさんいた。父さんは、すごく興奮していた。そんな父さんの姿を見ると、なんだか少し嬉しくなった。父さんは野球に夢中になりすぎて、少し太ってしまった。だから、ジムに通わせた。一週間経つとまた痩せた。今後、太らないように、「一日筋トレスケジュール表」を作り、一日合計一時間の筋トレのスケジュールにした。最後に、神社へお参りをした。
「どうか、父さんがこれ以上太りませんように。」