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クレーンゲームの私

春日井市立篠木小学校 4年
藤田 美良
クレーンゲームが大好きな主人公。いつものようにお金をたくさん使って遊んでいると、突然自分がクレーンゲームになってしまいました。とても斬新な発想です。景品を取るためにがんばってる女の子を応援するクレーン。最後に書かれた一言が大きな謎を呼ぶ、ちょっと不気味で面白いお話でした。ゲームセンターは夢の国?お金の国?それとも、、、。気になりますね。
(ながおたくま)
 今日、私は、ゲームセンターに行きました。私は、クレーンゲームが好きなので、お金を使いすぎちゃうことが多いのです。でも、そんなことは、気にしない、気にしない!
 私は、さっそく中に入りました。
 そこは、広くて、台がいっぱいあって、夢のような国でした。ママは、「夢の国じゃなくて、お金の国じゃない?」と言いました。私は、「まぁ、使い過ぎなければいいんでしょ?」とつぶやきました。
 まず、十円キャッチャーへ行きました。十円で取れなくて、二十円でも取れなくて、三十円でやっと小さなラムネが取れました。私は、「こんなの買った方が安いじゃん。」と思いました。
次に百円のクレーンゲームに行きました。クマやパンダ、それにおかしもありました。私は、ふくろに入ったおかしを取ることにしました。百円使いました。二百円使いました。ぶら下げて、もう少しで取れそうです。三百円使って、しっかりはさみました。けれど、とちゅうでポトンと落ちてしまいました。二千円目でやっと取れました。ママも私も大喜びで、ついハイタッチしてしまいました。私は、「タダで取れるならいいのになー。」と思いました。すると、上から何かがふってきました。
「キャー」
 それは、ドーム型のゲームセンターです。ボールプールや、タダでできるクレーンゲームまでありました。クレーンゲームにちょうせんしてみると、一回でおかしが取れました。ボールプールに入るとさん加賞にかわいいクマの人形がもらえました。ふしぎがいっぱいです。その時です。目の前にいきなりよう精が現れました。私とママは、びっくりして後ろに下がってしまいました。
「私は、ここの管理人です。あなたもクレーンゲームになってみませんか?見えないけど声は聞こえます。」
 私は、心配だったけれどおもしろそうなのでなってみることにしました。
 初めにお父さんがやってきて、ぬいぐるみをねらっていました。でもたくさんお金を使っても何も取れませんでした。ボーンと私をけりました。次に子どもがやって来ました。女の子みたいです。百円使いました。失敗です。二百円使うとぶら下げて、もう少しで取れそうでした。三百円使うとしっかりはさみました。でもポトンと落ちてしまいました。お金を次々と入れましたが、取れませんでした。私は、「かわいそうだな。もうやめな。」と思いました。二千円目です。やっ と、クマの頭に引っかかりました。私は、「いけーっ」とさけんでしまいました。女の子も「おーー!」と声を上げました。おしりが持ち上がってやっと取れました。その子は、だれかと「パチン」とハイタッチしました。クレーンゲームの私は、「うふふ」とわらいました。その時私は、「はっ」と気がつきました。なんか、私に似てるなー?
 その子って、ひょっとして私のこと?
「え、えーっ、どういうこと?」