ある日、くまさんは、「こまった、こまった。」と言って、木のまわりをぐるぐるまわっていました。そこへりすさんがやってきました。
「どうしたの、くまさん?」
「あのね、おかあさんがいなくなったの。」
「ええーっ。たいへんだね。じゃあ、いっ しょにさがそうよ。」
「うん。」
くまさんは、すこし元気になりました。けれど一日中さがしても、おかあさんは、みつかりませんでした。
しょんぼりしておうちにかえると、森のどうぶつたちがいっぱいあつまっていました。りすさんも、うさぎさんも、きつねさんも、ねずみさんも、さるさんも、とりさんも、むささびさんも、たぬきさんも、やぎさんも、いのししさんも、へびさんも、森のどうぶつたちが、むかえてくれました。くまさんは、びっくりしてしまいました。
その日は、くまさんの3さいのおたんじょう日でした。
じつは、おかあさんが、くまさんのためにみんなをよんでくれてたんです。
その時、おかあさんが「ただいま~」と言ってかえってきました。くまさんは、「おかあさん」と言ってとびつきました。りすさんは、とってもよろこびました。
おかあさんは、せなかに大きなかごをせおっています。たくさんたべものが入っていました。おかあさんは、くまさんのたんじょう日プレゼントを山でさがしていたのです。
草のみ、きのこ、イチゴ、ウリ、山ブドウ、山モモ、グミ、どんぐり、はちみつ、さかなを、とってきてくれたんです。
「さあ~、みんなおたんじょう日会をやるよ。」と、おかあさんが言いました。
みんな、パチパチとはく手をしました。みんなそろって言いました。
「くまさん、おたんじょうびおめでとう。」