ちびロボがすみっこにすわっています。ちびロボのかおはまるで本のようです。本のひょうしにかわいい目と口がついています。本をめくると、ぼくのよみたいおはなしを見せてくれます。ちびロボの目と口は、そのおはなしのないようによってひょうじょうがかわります。たのしいおはなしのときはにっこりお目目、かなしいおはなしのときはうるうるお目目、ためになるおはなしのときにはメガネをかけたお目目になります。
今日のぼくのよみたいおはなしは、えがとびだす本です。ちびロボはすこしかんがえています。どんな本にしようかあたまの中の小さいとしょかんからえらんでいるからです。ぼくたちののうみそみたいなものです。「はい、こちらはいかがでしょうか?」ちびロボが本をえらんだみたいです。見せてくれたのは『ドラゴンとモンスター』。びっくりするような本がよみたかったぼくは「こちらでおねがいします。」といいました。すると、ちびロボがページをゆっくりめくりながらよんでくれます。あたまにたくさんへびをのせたメドゥーサやうみのふかいところにすんでいるクラーケンがとびでてきて、はくりょくまんてん!ぼくはびっくりしてだいまんぞくでした。こんどはこころにやさしいおはなしがよみたくなりました。ちびロボはまたすこしかんがえて、「はい、こちらはいかがでしょうか?」といいました。『ずーっと ずっと だいすきだよ』という本でした。「その本、だいすき!こちらでおねがいします。」とぼくはいいました。ちびロボはやさしい目で本をめくっていきます。「これはぼくによませて。」とおねがいすると、ちびロボはぼくのよむはやさにあわせてめくってくれました。さいごまでよむと「ずーっと、ずっと、だいすきだよ。」とぼくにいってくれました。ぼくも「ずーっと、ずっと、だいすきだよ。」とこたえました。
さて、あしたはどんな本をみせてもらおうかな。