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父痩せ大作戦

名古屋市立稲永小学校 5年
小山 玄朔
「あんた、痩せなさい!」「いやだ!」そんな会話で始まる家族のお話。息子と妻の熱意に押され渋々始めたダイエットが、どんどん父を夢中にさせていく。体重の減り方やズルの仕方、家族のやり取りがとてもリアルに書かれています。嬉しいのは息子が父の体重が増えないように願うところ。ダイエットのおかげで親子の仲がより深まっていく様子が読んでいてとても微笑ましくなりました。
(ながおたくま)
「あんた、百キロまでいったの!?信じられない。ちょっとあんた、太るの気をつけなさい。」
 母さんは、「気をつけなさい」と言ったものの、今後、もし太ったら、どうなるのか。そう思ったその日の夜、家族会議が開かれた。
「ちょっとあんた太りすぎ。食事を減らしなさい。」
「えー、ご飯おいしいから嫌だ。」
「健康のために痩せて!!」
周平とお母さんが口を揃えていった。すると、二人からの「痩せて欲しい」と言う熱意が伝わったのか、嫌がりながらもダイエットを決意した。
 トレーニングを始めるが、なかなか痩せないので、父さんのあとをつける。すると、父さんが買い食いをしていることが発覚した。家族会議で、
「死んでも知らんよ。あんたが悪いから。」
と母。
「今度こそ頑張る。」
父さんはそう意気込んだ。周平は信じられない。また買い食いをするかもしれない。そのことを言うと、また騒がしくなるかもしれないと思い、周平は黙っておいた。
 父さんは、本当に頑張りだした。ダイエット開始から一ヶ月後、十五キロ痩せ、さらに、ニケ月後、ニ十キロ痩せた。周平はすごく驚いた。しかし、父さんが、頑張ってダイエットをして、体重が順調に減っているが、ある日から突然、体重が減らなくなってきた。だから、こっそりご飯を減らしていく。二週間ほどかけて、トレーニング開始ごろと比べると、ご飯が約三割減り、また痩せてきた。
 トレーニングにのめり込みすぎて、ジムにも通い始めた。今度は、お父さんが、ボディビル大会に出たいと言い始め、トレーニング中心の生活になった。やがて、かっこよくなり、ボディビル大会で優勝することもできた。だが、周平は、もう少し遊んで欲しいと思った。そのことを父さんに伝えると、前までは一緒に遊んでくれなかったのに、体が軽くなったことを実感したのか、一緒にたくさん遊んでくれるようになった。遊びの内容は、ほとんど野球。周平は、野球がすごく大好きだ。父さんは野球に興味はなかったが、周平と一緒にずっと遊んでいると、父さんは野球に興味を示してきた。テレビで、野球中継がやっていたら必ず見る。実際に、球場にも行き、そこには、有名な選手が、たくさんいた。父さんは、すごく興奮していた。そんな父さんの姿を見ると、なんだか少し嬉しくなった。父さんは野球に夢中になりすぎて、少し太ってしまった。だから、ジムに通わせた。一週間経つとまた痩せた。今後、太らないように、「一日筋トレスケジュール表」を作り、一日合計一時間の筋トレのスケジュールにした。最後に、神社へお参りをした。
「どうか、父さんがこれ以上太りませんように。」