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台風つくえ

名古屋市立南陵小学校 5年
永井 咲衣
台風たいふうつくえという発想はっそうがとてもユニークで面白おもしろいナンセンス作品さくひんです。台風たいふうつくえのくるくるまわいきおいがつよくなる理由りゆうも、勢力せいりょくよわめるための解決策かいけつさくも、本当ほんとうらしくかんじさせるところがうまいです。解決かいけつもこどもたちでやるところが好感こうかんをもてるし、最後さいごこおりのつぶがついていたというオチもたのしいです。
 「はぁ。」
 私はため息をついた。今は二時間目の休み時間。私はひとり、校庭のすみっこで遊ぶ物がないか探している。友達のユナは他の友達と遊んでいる。あたりを見回すと、ふわふわと地面から浮いて回っているつくえを見つけた。不思議に思いなんとなく乗ってみた。すると、不思議なつくえは地面からさらに浮いた。「すごいぞ。」とドキドキしながら遊んでいたら、友達と遊んでいたユナがこっちに来た。
「なにそれ、いっしょに乗らせて。」
と言ったので、いっしょに乗せてあげた。ゆっくり、くるくる回って風がとっても気持ち良くて楽しかった。まるで、台風の目に乗っているみたい。
 三時間目の休み時間、私とユナはまた台風つくえに乗ろうと思い校庭に行くと、さっきと同じ場所にあった。乗ろうとしたらなんだか台風つくえの風が強くて乗りにくい。しかもどんどん台風つくえの風は強くなり、私とユナはころんだ。私はおしりを打って、ユナはすりきずをしてしまった。台風つくえはさらに風が強くなっていった。どうしてそうなったのかを考えてみた。
「台風は海水温が高くなると強くなるよね。」
「あっそうか、今日の気温は三十度近い。熱
くてぼう走したんだ。」
ふたりで習ったばかりの理科の授業を思い出した。
「熱くて台風が強くなるなら、逆に冷やしてしまえばいいのよ。」
と私は思いついた。
 ふたりで走って職員室に行き、先生にお願いをして氷をたくさんもらった。私とユナは台風つくえに投げつけた。氷が粉々になって飛び散った。そうすると、台風つくえの風は弱くなり、つくえごと消えて無くなった。
「なくなっちゃったね。」
「うん…。」
と会話をしていると、授業のチャイムが鳴った。教室にもどると気づいた。粉々になったあの氷のつぶつぶが、おしりについていた。それをみんなに見られていっぱい笑われた。