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タイをめがけて

名古屋市立長良中学校 2年
田中 結菜
 ネコが魚屋のタイをねらうお話なのですが、とても新鮮でした。今までそういうお話のネコといったら、ずうずうしい猫やズルい猫でした。でも、この主人公はピュアで憎めないさわやかなネコです。強いけど、恐れられるほどではなく、賢いけれど、ドジで愛嬌もあって、失敗ばっかりしてもめげないし、元気でポジティブで、誰もが好感をもちます。愛される主人公を作れるのはすばらしく、とても楽しく読めました。
(藤 真知子)
 俺の名は、勝。オス猫だ。勝つという字で勝。実際、いかくは上手いし、体が大きいから初めてのやつには勝つ。しかし、近所に住んでいるやつらには、なぜかいかくが利かない。だから、負ける。くやしい。俺より、小さいやつにも。
 そんなことより、俺は急がなければならない。なんと、○✕通りにある魚屋でタイが、売っているらしい。これは、手に入れないと損する。というわけで、朝ごはんを急いで食べる。モゴモゴ。そして、慎重に家を出てからダッシュ。よし、成功した。では、この金シャチのマンホールを曲がる。ここに、空き缶捨てるな人間。よし、到着。げっ人間がたくさんいる。帰るか? いやタイを手に入れなければ。おい、そこの女子高生俺の尻尾ふむな。テレビ局来ている。バレたら、「○✕通りで、黒色で首輪をつけた猫がタイを盗みました。」ってニュース速報されるかもしれない。これは、まずい。バレないようにしなければ。イテッ。誰だよ、足踏んだやつ。魚屋発見。これから、タイの置いてある場所を調べる。ジー。ズテッ。バナナの皮は、しっかり捨てろ。見つけたが、遠いしレジの近くにあるから、危ない。思い出した、この店の店主怖いのだった。この前、通っていたら白色の猫が捕えられてた。簡単な方法では、ダメだ。しっかり考えないと。店主を驚かせてその間にタイをとる? 絶対にダメだ。魚のふりをしてタイをとる? 猫だと一瞬でバレてしまう。どうすれば。そんな時、俺の体が浮いた。びっくりしたけど、どうやら今俺は飼い主に抱き抱えられているみたい。魚屋の店主にバレる前に、飼い主にバレてしまいましたか。というわけで、強制的に家へ戻ることになってしまった。しかし、俺はタイをあきらめなかった。
 今日は、二十日。スーパーで、野菜が安くなる日だ。俺の飼い主は、どうせスーパーへ行く。その時が、チャンスだ。さっきのような失敗は、もうできない。飼い主が、花がらのエコバッグを持った。もう出発すると思う。だから、俺は良いスタートダッシュをするために、体制を整えた。よし、飼い主が家を出て行った。行くぞ、待ってろタイ。相変わらず人は、多いけれど無事魚屋にたどりつくことが出来た。俺の考えた作戦は、略して良いとこ取り大作戦。魚屋に、猫が一匹入ったら俺も一緒に入る。店主が、その猫の方を向いている時に、俺はタイを取る。待っていること十五分。茶色の猫が、魚屋に入っていくところが見えた。俺も、あわてて魚屋に入る。ゆっくり店内へ入っていく。アジ・サンマ・カツオ・ブリおいしそうな魚がいっぱいで、目移りしてしまっている。危ないと思い、あわててタイを取るモードに切りかえ、タイに集中した。まだ、店主に気づかれていない。その時、店の中にいたお客さんが、茶色の猫に気づいて悲鳴をあげた。俺は、今がチャンスだと思いダッシュして、タイの目の前に来た所で尻尾をつかまれた。店主に見つかってしまったのである。あと一歩だったのに。そんな悔しさでいっぱいだった。一時間後、飼い主が迎えに来た。店主が、俺の飼い主に連絡したのだろう。家に連れて帰らされた後、俺は飼い主による説教が一時間続いた。「あなた魚盗もうとしたよね。」「それは、やってはいけないこと。」「魚を盗もうとしたから、あなたは、一週間食べることができません。」俺の心の中は、そんな・とほほ・ガーンがくり返されている。本当にごめんなさーい。