むかしむかし、まい日あらそって、食べものをうばおうとせんそうばかりしている町がありました。その町はせんそうがにがてでした。だからいつもまけてしまいます。町のリーダーは今日も食べもののためにせんそうをすることにしました。しかしむこうの町もよわく、まったくけっちゃくがつきませんでした。そのせんそうを見まもっていたちきゅうが、「もうせんそうをやめてくれないのなら、めぐみのクリスマスツリーをたてるしかないな。」と言いました。土せいや金せいが、「それしかほうほうはないなら、ぼくたちで作ろう。」と言いました。たしかに、とうなずきながらみんなは聞いていました。なかまの一人が、「作るのはいいけど、きれいな形に作るのはむずかしいよ。」と言うと、ちきゅうが、「そんなことはかんたんさ。ようがんに形を作ってもらえばいいんだよ。そしてそれにライトやかざりをつければいいのだから。」とこたえました。
ちきゅうの中心にクリスマスツリーはたてられました。それはとてつもなく大きくて、どこの町からもしっかり見えました。ピカピカの黄金で、キラキラした石がたくさんついています。ツリーを見ようと山のてっぺんに来たその町の人びとは、「やっぱり食べものがなくてもせんそうをしてはいけない。なかよく分けあって生かつすればよいのか。」と思いました。
そしてなん日かたちました。町のようすを見ると、どこもたのしくへいわにくらしています。ちきゅうはほっとしました。町のリーダーがまたツリーを見ようと山にのぼったけれど、もうそこにはツリーはありませんでした。そしてやっとわかったのです。「あのクリスマスツリーはぼくたちがせんそうをやめて、へいわにくらしてほしいというちきゅうの思いだったんだ。」町のリーダーはそのことをありがたく思いました。