僕は、家を作る場所を探していた。そこで、蝶がいっぱいいるきれいな湖を見つけた。
「ここにしよう。」
早速、家を作り始めた。けれど、おしりをケガしていたので作れなかった。
「でも、がんばらなきゃ。」
僕は、頑張って家を作り続けた。痛いのをがまんしながら。雨の日も、風の日も。雷でものすっごく怖かった日も。休むことなく、作りつづけた。
そして、ついに家が完成した。お日様の光を受けて、真珠色に輝いていた。諦めなくてよかった。
それから、僕は幸せだった。お隣さんとたまに会ったし、この湖には蝶だけじゃなくハチやトンボもいることが分かった。
僕の一日はこんな感じ。
まず、起きて、天気を確認する。それからのんびりしたり、お隣さんに会いに行く。たまに近くを散歩したりする時は、道路なんかに出ないように注意しながら歩く。お隣さんのいとこが、この前車にひかれそうになったって聞いたから、もっと怖くなっちゃったよ。それでね、その後はゆっくりごはんを食べて、寝る。そんな、幸せな毎日だった。
ある朝、黒い棒が、僕の家めがけてものすごい勢いで飛んできた。僕の家は地面に落ちてしまい、少しは棒に絡みついた。
そのあと、お隣さんが励ましに来てくれた。なんと、お隣さんも家を壊されてしまったそうだ。
「こっちもだよ。あの棒は、雨を避けるための道具で、人はそれを開いて使うらしい。」
お隣さんによると、この近くの家は何軒か壊されてしまっているらしい。
次の日から、みんなが家を直し始めた。僕もケガが治ったので、せっせと働いた。だけど、ご飯がない日が何日も続いた。このままでは、みんなお腹がすいて動けなくなってしまう。
だから、僕たちは勇気を出して人の子供が朝から夕方まで七日のうち五日ぐらい集まっている、不思議なところに行くことにした。虫がいるかもしれないからだ。でも、すぐに見つかった。僕たちは、人の子供に踏み潰されてしまった。
私は、蝶がいっぱいいるきれいな湖の近くに引っ越してきた。
ある日、私の机にクモがのっていた。虫は苦手だったけど、なぜかクモだけは大丈夫だった。手のひらに乗せて、窓から逃がしてやった。窓から見る湖は、なぜだか、懐かしかった。